乾癬とは?治療法と症状の改善に向けて大切なこと!

乾癬・・・という病気をご存知ですか?

正直、管理人のこまちは皮膚科勤務するまで全く知りませんでした。

この記事にたどり着いた方は、おそらくご自分の皮膚症状からネット検索して乾癬という病気を疑ったか、病院を受診して乾癬と診断されたか、近しい方で乾癬の方がいらっしゃるか・・・ではないでしょうか?

管理人自身、この病気についてはまだまだ知識不足なところはあります。

ですが、乾癬の治療を受けている患者さん見ていると、なかなか治らない方の共通点や、逆に改善傾向が見受けられる方の治療に対する姿勢など・・・いろいろ思うところもあります。

この記事では、乾癬の症状や一般的な治療法をお伝えするとともに、乾癬について日々感じてることなども含め、専門家の方とは少し違った視点でも考えてみたいと思います。

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乾癬とは?

乾癬「炎症性角化症」という皮膚の病気に分類されます。

「皮膚の炎症」「表皮(皮膚の一番外側の層)の新陳代謝の異常」の二つの側面を持つ病気です。

皮膚から少し盛り上がった赤い発疹の上に、銀白色の垢(鱗屑)が付着し、ポロポロとフケのように剥がれ落ちます。

乾癬の皮膚は、炎症を起こす細胞が集まって活性化しているため、毛細血管が拡張し、皮膚が赤みを帯びた状態になります。

また、表皮が健康な細胞に比べて10倍の速度で生まれ変わり、生産が過剰な状態となっています。

過剰に生産された表皮が厚く積み上がって、鱗屑(りんせつ)となって剥がれ落ちていくのです。

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赤く盛り上がった状態

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鱗屑がついた状態

乾癬の皮膚は、症状が出てない部分を掻いたり傷つけたりすると、その部分に症状が出てくることもあります。(ケネブル現象)

乾癬の種類

乾癬は症状により5つの種類に分けられます。

日本には10万~20万人の患者さんがいるといわれています。

最も多いのは尋常性乾癬です。

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)

乾癬患者さんのほとんど(約90%)を占めます。

頭部、肘、膝など、こすれやすい部分や刺激を受けやすい部分によく見られます。

全身に広がることもあり、約60%の患者さんには爪にも症状が見られます。

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滴状乾癬(てきじょうかんせん)

小さな水滴程度の大きさの皮疹が全身に出現します。

鼻、のど、歯など、体のどこかに細菌の感染病巣が存在し、それが悪化する時に起こることがあります。

とくに扁桃腺炎がきっかけとなることが多いといわれています。

乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)

尋常性乾癬が全身に広がり、皮膚全体が潮紅状態(赤みを帯びること)になります。

膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)

発熱、倦怠感を伴い、急激に全身の皮膚が潮紅し、膿疱(膿を持った状態)が多発します。

放置すると全身衰弱などにより、重篤な状態になることがあります。

関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)

皮膚の症状に加えて、関節リウマチのように関節がはれたり、痛んだりします。

乾癬の原因は?

残念ながら、まだはっきりとした原因はわかっていません。

体質的な要素(遺伝的要素)と、気候、ストレス、風邪、喫煙、飲酒、食生活などの外的因子と、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満などの内的因子が加わって発病すると考えられています。

乾癬の治療法

乾癬の治療法は、大きく分けて外用療法・内服療法・光線(紫外線)療法・生物学的製剤の4つの方法があります。

外用療法(塗り薬)

主にビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬が用いられます。

ビタミンD3外用薬

主に表皮の新陳代謝の異常を抑え、正常な皮膚に導くお薬です。

表皮の盛り上がりや鱗屑にとくに効果あります。

一度症状が良くなれば、よい状態を長期間保てますが、効果が出るのに時間がかかるため、根気よく塗ることが大切です。

まれに塗布部位に刺激感が出ることがあります。

乾癬

ステロイド外用薬

主に炎症を抑えるお薬です。

効果の強さによって5つのランクに分けられ、症状に応じて使い分けられます。

とくに皮膚の赤みに効果があり、即効性があります。

長時間毎日使用すると、塗布部位の毛細血管が拡張したり、皮膚が薄くなったりすることがあります。

ステロイド5ランク

内服治療(飲み薬)

内服薬は他の治療法と組み合わせて用いられることが多いですが、単独で用いられることもあります。

レチノイド(エトレチナート)

ビタミンAの誘導体で、表皮の過剰な増殖を抑えます。

胎児に影響を与える恐れがあるため、服用中だけでなく服用中止後も、男性は6ヶ月、女性は2年の避妊が必要です。

シクロスポリン

乾癬の発症や悪化の原因の1つに、免疫作用の過剰な働きがあげられます。

シクロスポリンは過剰な免疫作用を抑えるお薬です。

主な副作用として、血圧上昇、多毛、腎臓機能障害などが報告されており、定期的な血圧測定、血液検査が必要となってきます。

光線(紫外線)治療

光線治療は、光線ランプを用いて、症状のある部位もしくは全身に紫外線を照射して過剰な免疫作用を抑える治療法です。

紫外線にはいくつかの種類があり、乾癬の治療では長波長紫外線(UVA)と中波長紫外線(UVB)が用いられます。

主な副作用は日焼けや色素沈着です。

PUVA療法

光に対する感受性を高めるお薬を内服、あるいは外用してUVAを照射します。

UVB療法

UVBを照射します。

また、UVBの中でも治療効果が高く、狭い領域の波長を照射するナローバンドUVB療法や、治りにくい部位に対して部分的に照射できるターゲット型エキシマランプも普及しています。

生物学的製剤

生物学的製剤は、免疫にかかわる物質の働きを弱めて乾癬の症状を抑えるお薬です。

現在は皮下注射と点滴の2種類があります。

なお生物学的製剤による治療は、これまでの治療で効果が見られない患者さんが主な対象となります。

また下記の患者さんは生物学的製剤の投与は受けられません。

生物学的製剤を投与できない患者さん

  • 重い感染症のある患者さん
  • 治療が必要な結核・B型肝炎のある患者さん
  • 生物学的製剤の成分に対して過去にアレルギー反応を起こしたことのある患者さん

・・・など。

生物学的製剤による治療を行うと免疫が抑えられるため、感染症にかかりやすくなる可能性があります。

主な副作用は、のどの痛みや咳、悪寒、発熱などの風邪症状、発疹や痒みなどのアレルギー症状、疲れやすい、体がだるい、などです。

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乾癬の治療で一番重要なことは、患者さんが継続して積極的に治療に取り組むことです。

皮膚の症状により、日常生活や治療においても、さまざまなストレスや悩みを抱えてしまうと、患者さんの「QOL」が損なわれてしまうことがあります。

乾癬の治療では、症状の程度はもちろん、患者さんのこの「QOL」も改善するために一番いい治療法を選択しなければいけません。

「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」とは人の生活の質を指し、、どれだけ人間らしい望み通りの生活を送ることができているか?という概念です。

「QOL」が向上すると、治療に対しても積極的になり、症状の改善が実感できるようになります。

治療や日常生活上の注意点についてはお医者さんに相談して、指示された用法、用量、組み合わせをきちんと守って治療することが大切です。

自己判断で勝手にお薬をやめたり使いすぎたりすると、症状が悪くなったり、思わぬ副作用が出たりすることもあります。

病気や治療について知りたいとき、なかなか良くならないとき、医師の指導通りにお薬が塗れない・服用できないなど、今の治療を続けるのが厳しいときは、その都度お医者さんに相談して治療をしていきましょう。

乾癬と上手く付き合うためのQ&A

乾癬は治らない?

乾癬になりやすい体質が変わることはありませんが、根気よく治療を続けて生活習慣を改善することで、ほとんど症状のない状態を長期間保つことは十分可能です!

乾癬は遺伝する?

乾癬になりやすい体質は遺伝することもあると言われていますが、体質を受け継いだとしても必ず乾癬になるわけではありません。

日本では、親が乾癬で子どもも乾癬を発病する可能性は約5%と言われています。

乾癬はうつる?

乾癬はまわりの人に移ることはありません。

温泉やプールなど一緒に入っても絶対にうつりませんので、家族や友人、周りの人に乾癬について正しい知識を持ってもらいましょう。

お薬はずっと続けなければいけない?

乾癬は、良くなったり悪くなったりを繰り返す経過の長い病気です。

症状を和らげたり、良い状態を長く保つためには、根気よく治療を続けることが大切です。

そのためには、お医者さんとよく相談し、良い状態も悪い状態もしっかり経過を診てもらって、お薬を指示のとおり正しく使っていきましょう!

症状が落ち着いていても定期的に診察を受けることも・・・、このことはいい状態を保つためには大事なことです。

生物学的製剤で完治する?

対症療法ですので、必ずしも完治するわけではありません。

生物学的製剤で症状が良くなった後も、定期的に外用療法を行って症状のない状態を維持することが大切です。

漢方薬は乾癬に効く?

補助的な治療として患者さんの体質に合わせて用いられることがあります。

漢方は即効性があるお薬ではなく、長期的に飲んで効果を発揮するお薬なので、効いたかどうかは長い目で見ないと判断できません。

ネットや口コミでは、漢方以外にも自然療法や食事療法など、病院や処方薬を頼らない治療も提示されてます。

結局のところ、どの方法が一番効くのか?

どれもこれも賛否両論なので、自分で判断するのが難しかったり迷いすぎたりわけがわからなくなったり・・・ということもあるかもしれません。

なかなか治療がうまくいかないことから、病院や処方薬が信用できなくなって、いろいろ試してみたくなる気持ちになるかもしれません。

ですが、症状改善の一番の近道は「乾癬について詳しい皮膚科医」に出会うことだと思います。

その上で、お医者さんとの相談した結果、漢方処方に至ったのであれば、症状の改善を期待し服用してもいいかもしれません。

乾癬.イラスト

生活上の注意

皮膚への刺激を避ける

衣服でこすれたり、皮膚を掻いたりすることなどの刺激で症状が悪化します。

衣服はなるべくやわらかい素材の物を選びましょう。

乾燥に注意する

一般的に、乾癬は夏に良くなり、冬に悪化する傾向にあります。

特に冬は皮膚が乾燥するので注意しましょう。

日光浴をする

乾癬は光線(紫外線)治療が効果的・・・ということからもわかるとおり、日光に当たるとよくなることが多いので、なるべく日光浴をしましょう。

ただし、急激な日焼けは皮膚を刺激し悪化の原因になりますので、徐々に始めましょう。

感染症に注意する

風邪・扁桃腺炎などの感染症にかかると症状が悪化することが多いので、なるべく風邪をひかないようにすることが大切です。

手洗い・うがいをしっかり行い、風邪を引いたかな…と感じたらしっかり休息を取りましょう。

ストレスをためないようにする

肉体的・精神的ストレスは症状悪化の原因になります。

ストレスを完全になくすことは難しいですが、スポーツや趣味などで気分転換をしてストレスを発散させましょう。

適度な運動を心がける

肥満と乾癬の関連が指摘されています。

運動することで体を鍛え、適正な体重を保つことができます。

リラックスやストレス解消にもなりますので、適度に体を動かすことも大切です。

食生活に気をつける

カロリーの高い食事(肉類・脂肪類)は症状を悪化させ、カロリーの低い食事(野菜・魚)は症状を改善させると言われています。

香辛料などの刺激の強い食べ物やお酒は痒みを増すので、できるだけ控えたほうがいいでしょう。

喫煙は控える

煙草を吸うとのどを痛め、風邪や扁桃腺炎にかかりやすくなります。

風邪や扁桃腺炎は乾癬を悪化させやすくなるので、喫煙はなるべく控えましょう。

入浴により清潔を保つ

毎日入浴して清潔を保ちましょう。

ただし、ゴシゴシこすりすぎたり体を温めすぎると痒みが増すので、熱いお風呂は避けましょう。

入浴後はタオルで優しく体を拭き、できるだけ早くお薬を塗りましょう。

NG

まとめ

うちのクリニックにも乾癬の患者さんは受診されますが、その中で症状が良くなっていく患者さん、逆に悪くなったり改善されない患者さん・・・本当にさまざまです。

私が3年勤務して見てきた中で、症状が落ち着いている患者さんにも、改善されない患者さんにも、それぞれ共通点があるように感じます。

比較的症状が落ち着いている患者さんは、とにかく先生の治療に忠実に従ってます。

症状が広範囲であればあるほど、外用薬の塗布も、光線治療の通院にも、とにかく時間と手間を要します。

ですが、忙しい中でもなんとか症状をよくしようと、時間を作り通院し、その時々の症状に合わせた外用薬や内服で治療をされています。

そしてマメな患者さんはやはり、「症状が落ち着いていても定期的に通院する」という乾癬治療には大事なことをきちんと守っていらっしゃいます。

症状が落ち着いていても、決められた時期に受診した結果・・・やはり、改善し、悪化も防いでいるように見えます。

逆に、忙しくて治療にはいけないという患者さんや、ちょっと治ったら自己判断で薬をやめてしまったり、薬がなくなっても受診しない患者さんは、しばらくすると悪化した状態で来院される方が多いです。

そういう患者さんが、数カ月に一度光線治療を受けた・・・といって、改善するわけがないのです。

仕事や家事や・・・取り巻く環境など、いろんな理由があって忙しくて治療が継続できないのは、どうしようもないことなのかもしれません。

ですが、まず、いい状態を保つために治療に専念できる環境を整える・・・というのも必要ではないでしょうか?

日常生活の注意点にも記したとおり、食生活の改善、禁酒、禁煙、漢方など・・・病院以外でも改善する方法は、探せばあるかもしれません。

ですが、乾癬の治療で一番大事なのは、肌をできるだけ早くいい状態に導くことです。

そのためには、ステロイド外用剤や光線治療など、適切な治療を受けるのが一番近道なのです。

私はステロイドには頼りたくない!

私は漢方だけで治す!

私は自然の紫外線を浴びて治す!

私は無農薬の野菜、脂肪類を取らないで食事で改善する!

私は天然のものを塗布して治す!!

いろんなこだわり、いろんな自己治療、それも間違いではありませんが・・・、確実に遠回りで、炎症が長引けば色素沈着も濃くなり、肌もごわごわと固くなっていきます。

いろんなものを試すのは、病院で肌をいい状態に持って行ってからでも決して遅くはありません。

悪化している状態で自己治療をするのではなく、いい状態になるまではしっかり乾癬治療のプロの皮膚科のお医者さんに診てもらったほうが、症状を改善する一番の近道なのです。

上手に付き合うために大事なことは・・・

  • 「乾癬について詳しい皮膚科医」に出会うこと
  • 適切な治療を受け、肌をできるだけ早くいい状態に導くこと
  • 症状が落ち着いていても、定期的に通院すること
  • 「生活上注意しなければならないこと」はなるべく守ること

管理人は、以上のように感じました。

どうか一日でも早く、辛い症状が改善されますように・・・。

読んでいただいてありがとうございました♪

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